SEOポイズニングとは?医療サイトが狙われる理由と実例【2026年最新】

Security / 2026

2026年8月、株式会社Medi Face(医療法人鳳應会グループ)を含む日本の医療系Webサイト21件が、同一の攻撃者によるSEOポイズニング攻撃を受けました。本記事では、この攻撃の実態と、医療サイトが特に狙われる理由、そして自院のサイトへの被害確認方法をお伝えします。

SEOポイズニングとは

SEOポイズニング(SEO Poisoning)とは、正規のWebサイトに不正なコードを埋め込み、Googleなどの検索エンジンに「このサイトは特定のキーワードに関連している」と誤認識させる攻撃手法です。

攻撃者の目的はシンプルです。

  • 金銭的利益:違法賭博サイトへ誘導し、アフィリエイト収益を得る
  • ブランド毀損:被害サイトのオーナーに虚偽の証拠を作り上げ、法的脅迫の材料にする

今回当社が受けた攻撃では、WordPressのデータベースに以下のようなコードが注入されました。

{
  "@type": "Product",
  "name": "SULEBET | SANJITOTO | AIRBET88",
  "url": "https://bringmetolife.store/?ref=cSyJDyLy"
}

このコードはページ上には表示されず、Googlebotだけが読み取れる形で埋め込まれていました。患者がクリニックのサイトを訪問しても異常に気づきません。しかしGoogleの検索結果には、賭博キーワードと紐づいたページとして表示されるようになります。

なぜ医療サイトが狙われるのか

理由1:Googleからの信頼性が高い

クリニックや医療機関のWebサイトは、地域での長年の実績により、Googleから「YMYL(Your Money or Your Life)」サイトとして高い信頼性を評価されています。この信頼性こそが攻撃者にとっての「価値」です。信頼性の高いサイトにSEOスパムを仕込むことで、検索結果の上位に違法コンテンツを表示しやすくなります。

理由2:セキュリティ対策が後回しになりがち

医療機関は本業である診療に注力するため、WebサイトのITセキュリティ対策が手薄になりがちです。WordPressのバージョンが古いまま放置されていたり、管理画面のパスワードが単純だったりするケースが多く見られます。

理由3:被害に気づきにくい構造

今回の攻撃では「ジオクローキング」という技術が使われていました。日本からのアクセスには正常なページを表示し、Googlebotやインドネシアのユーザーにだけ賭博コンテンツを見せる仕組みです。院長やスタッフが毎日サイトを確認しても、絶対に気づけない設計になっていました。

実際に起きたこと——当社の事例

2026年8月12日深夜、当社サーバーにPHPウェブシェル(fgh.php)が設置され、サーバー全体が攻撃者に掌握されました。その後、管理する21サイトのWordPressデータベースに賭博コードが注入され、翌朝には検索流量が通常の数十倍に急増していることをGoogleサーチコンソールで確認。被害を検知しました。

攻撃の特徴は、4ヶ月以上前から準備されていた計画的な標的型攻撃であった点です。

  • 2026年4月4日:攻撃用ドメインを登録(攻撃の120日前)
  • 2026年4月28日:偽装ランディングページの画像をImgurにアップロード
  • 2026年8月9日:攻撃直前にSSL証明書を更新(3日前)
  • 2026年8月12日19:33:攻撃開始

詳細な技術解析はこちら:MF-2026-0812 技術解析レポート(GitHub)

自院のサイトが被害を受けていないか確認する方法

ステップ1:Googleで検索する

ブラウザで以下のように検索してください。

site:自院のドメイン SULEBET
site:自院のドメイン slot online
site:自院のドメイン SANJITOTO

賭博関連のキーワードが含まれる検索結果が表示された場合、被害を受けている可能性があります。

ステップ2:Googleサーチコンソールを確認する

search.google.com/search-console にログインし、「設定」→「ユーザーと権限」を確認してください。見知らぬGoogleアカウントが管理者として追加されていた場合、即刻削除してください。

ステップ3:サーバーのファイルを確認する

FTPまたはサーバーのファイルマネージャーで以下のファイルが存在しないか確認してください。

  • fgh.php
  • shell.php
  • cmd.php
  • c99.php

これらが存在する場合、サーバーが攻撃者に掌握されている状態です。すぐに専門家に連絡してください。

被害を発見したら

  1. 自己判断での削除はしない——証拠が消えることがあります
  2. ホスティング会社またはWebの担当者に連絡する
  3. JPCERT/CCに報告するhttps://www.jpcert.or.jp/form/
  4. 警察庁サイバー犯罪相談窓口:#9110

まとめ

SEOポイズニングは、医療サイトの「信頼性」そのものを武器にした攻撃です。気づきにくく、患者への影響も甚大です。まずは今日、自院のサイトをGoogleで検索して確認してみてください。

当社では、同様の被害に遭われた医療機関からの情報提供をお待ちしています。

株式会社Medi Face お問い合わせ:info@medi-face.co.jp