骨・関節・結合組織疾患の指定難病

Designated Intractable Diseases: bone-joint

骨、軟骨、関節、靱帯や結合組織に生じる疾患群で、骨系統疾患、先天性の骨格異常、結合組織の遺伝性疾患などを含みます。成長や運動機能への影響があり、整形外科的治療とリハビリテーションが行われます。

Medi Faceが解説する指定難病のうち、「骨・関節・結合組織疾患」に分類される16疾患の一覧です。各疾患名から、原因・症状・診断・治療・予後・公的支援までの詳しい解説をご覧いただけます。

骨・関節・結合組織疾患の指定難病一覧(16疾患)

  • 黄色靱帯骨化症 Ossification of the Ligamentum Flavum
    黄色靱帯骨化症は、背骨の椎弓をつなぐ黄色靱帯が骨のように硬くなり(異所性骨化)、脊柱管を狭めて脊髄や神経根を圧迫する病気です。主に中高年の胸椎(とくに胸腰椎移行部)に起こり、足のしびれや脱力、歩行障害、排尿・排便障害を生じ、国の指定難病に指定されています。
  • 後縦靱帯骨化症 Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament
    後縦靱帯骨化症(OPLL)は、脊柱管の前壁を縦に走る後縦靱帯が骨化して厚くなり、脊髄や神経根を圧迫する病気で、中高年の男性の頚椎に多くみられます。手足のしびれ、手指の動かしにくさ、歩行障害、排尿障害などが現れ、国の指定難病(告示番号69)に定められています。
  • 広範脊柱管狭窄症 Extensive Spinal Canal Stenosis
    広範脊柱管狭窄症は、頸椎・胸椎・腰椎のうち2か所以上で脊柱管が狭くなり、脊髄や馬尾・神経根が圧迫される病気です。主に中高年に発症し、手足のしびれや痛み、歩行障害、排尿・排便障害などを生じ、進行すると自立した生活が難しくなるため国の指定難病(告示番号70)です。
  • 特発性大腿骨頭壊死症 Idiopathic Osteonecrosis of the Femoral Head
    特発性大腿骨頭壊死症は、外傷などの明らかな原因がないまま大腿骨頭への血流が途絶えて骨が壊死する病気で、壊死部が圧潰すると強い股関節痛や歩行障害が生じます。ステロイド全身投与やアルコール多飲との関連が知られ、指定難病(告示番号71)です。
  • 肥厚性皮膚骨膜症 Pachydermoperiostosis
    肥厚性皮膚骨膜症は、HPGDやSLCO2A1の遺伝子異常でプロスタグランジンE2が過剰になり、ばち指・皮膚肥厚・骨膜性骨肥厚をきたすまれな遺伝性疾患です。思春期の男性に多く、容貌の変化や関節痛、多汗などが続き、一部では胃・小腸病変を伴う指定難病です。
  • マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群 Marfan Syndrome / Loeys-Dietz Syndrome
    マルファン症候群とロイス・ディーツ症候群は、FBN1遺伝子やTGF-βシグナル経路の遺伝子の異常で結合組織が弱くなる遺伝性疾患です。大動脈瘤・大動脈解離のほか骨格や眼の症状が出ます。国の指定難病で、医療費助成の対象です。
  • エーラス・ダンロス症候群 Ehlers-Danlos Syndrome
    エーラス・ダンロス症候群は、コラーゲンなど結合組織の仕組みの異常により皮膚・関節・血管などがもろくなる遺伝性疾患の総称で、皮膚の過伸展・傷つきやすさ・関節の過可動を特徴とします。病型により重症度が異なり、日本では指定難病(告示番号168)です。
  • 強直性脊椎炎 Ankylosing Spondylitis
    強直性脊椎炎は、仙腸関節や脊椎、腱・靱帯の付着部に慢性炎症が起こり、進行すると脊椎の動きが失われる脊椎関節炎の代表的な病型です。10〜30歳代の若い世代に多く、長引く腰背部痛やこわばりが主な症状で、日本では指定難病(告示番号271)に指定されています。
  • 進行性骨化性線維異形成症 Fibrodysplasia Ossificans Progressiva
    進行性骨化性線維異形成症(FOP)は、筋肉や腱・靱帯などの軟部組織に骨ができる異所性骨化が繰り返し起こり、関節が動かなくなっていくきわめてまれな遺伝性疾患です。多くは小児期に発症し、生まれつきの母趾の変形が手がかりとなり、日本では指定難病(告示番号272)です。
  • 肋骨異常を伴う先天性側弯症 Congenital Scoliosis with Rib Anomalies
    肋骨異常を伴う先天性側弯症は、生まれつきの椎骨の形成・分節異常による脊柱の側弯に、肋骨の癒合や欠損を合併する病気です。成長とともに背骨と胸郭の変形が進み、肺の発育や呼吸が妨げられる胸郭不全症候群をきたすことがあり、指定難病(告示番号273)です。
  • 骨形成不全症 Osteogenesis Imperfecta
    骨形成不全症は、I型コラーゲンの量的・質的異常などにより骨がもろくなり、わずかな外力で骨折を繰り返す遺伝性の骨系統疾患です。骨変形や低身長、青色強膜、歯の形成異常、難聴を伴うことがあり、重症度は幅広く、日本では指定難病(告示番号274)です。
  • タナトフォリック骨異形成症 Thanatophoric Dysplasia
    タナトフォリック骨異形成症は、FGFR3遺伝子の機能獲得型変異により胎児期から軟骨内骨化が強く妨げられる、重症の先天性骨系統疾患です。著しい四肢短縮、狭い胸郭、大きな頭部を特徴に出生直後から重い呼吸障害を伴い、日本では指定難病(告示番号275)に指定されています。
  • 軟骨無形成症 Achondroplasia
    軟骨無形成症はFGFR3遺伝子の変異により軟骨内骨化が障害され、上腕や大腿など近位部の短縮を主体とする低身長をきたす先天性の骨系統疾患です。大頭や前額部の突出などの特徴的な顔貌がみられ、大後頭孔狭窄や脊柱管狭窄症などの合併症に注意が必要で、指定難病の対象です。
  • リンパ管腫症/ゴーハム病 Lymphangiomatosis/Gorham Disease
    リンパ管腫症/ゴーハム病は、異常なリンパ管組織が骨や胸部・腹部などに広がり、骨の溶解や乳び胸水・乳び腹水をきたすまれな難治性リンパ管疾患です。小児から若年成人に多く、病的骨折や呼吸障害がみられ、日本では指定難病(告示番号277)です。
  • 大理石骨病 Osteopetrosis
    大理石骨病は、破骨細胞の分化や機能の遺伝的障害により骨吸収が低下し、全身の骨が硬く厚くなる一方で折れやすくなる、まれな遺伝性骨疾患です。乳児期に貧血や視力障害で発症する重症型から、成人で骨折を契機に見つかる型まであり、国の指定難病です。
  • TRPV4異常症 TRPV4-Associated Disorders
    TRPV4異常症は、カルシウムを通すイオンチャネルをつくるTRPV4遺伝子のバリアントで起こる遺伝性疾患群です。骨・軟骨の形成異常による低身長・脊柱変形・関節拘縮と、末梢神経障害による筋力低下や声帯麻痺などがみられ、重症度に幅のある指定難病(告示番号341)です。

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