眼・耳鼻咽喉疾患の指定難病

Designated Intractable Diseases: eye-ent

眼・耳・鼻・咽喉に生じる疾患群で、網膜や角膜の遺伝性疾患、先天性の聴覚・視覚の障害などを含みます。視覚・聴覚の保持と、社会生活を支える支援が重要です。

Medi Faceが解説する指定難病のうち、「眼・耳鼻咽喉疾患」に分類される11疾患の一覧です。各疾患名から、原因・症状・診断・治療・予後・公的支援までの詳しい解説をご覧いただけます。

眼・耳鼻咽喉疾患の指定難病一覧(11疾患)

  • 網膜色素変性症 Retinitis Pigmentosa
    網膜色素変性症は、遺伝子の変化により網膜の視細胞(主に杆体、のちに錐体)が徐々に失われる進行性の遺伝性網膜疾患です。思春期〜成人期に夜盲と視野狭窄で気づかれることが多く、数十年かけてゆっくり進行し、日本では指定難病(告示番号90)に指定されています。
  • 巨大静脈奇形 Giant Venous Malformation
    巨大静脈奇形は、生まれつき静脈の形成に異常があり、拡張した静脈の集まりが広がる低流速型の血管奇形です。指定難病では頚部・口腔・咽頭のびまん性病変が対象で、気道の圧迫、嚥下や発音の障害、痛み、出血、凝固異常などが生じます。
  • 黄斑ジストロフィー Macular Dystrophy
    黄斑ジストロフィーは、遺伝子の変化により網膜の黄斑部が両眼で徐々に障害される遺伝性網膜疾患の総称です。中心視力の低下、ゆがみ、見たいところが見えにくい中心暗点などが主な症状で、周辺視野は保たれることが多く、日本では指定難病(告示番号301)に指定されています。
  • レーベル遺伝性視神経症 Leber Hereditary Optic Neuropathy (LHON)
    レーベル遺伝性視神経症(LHON)は、母系遺伝するミトコンドリアDNAの変異により網膜神経節細胞と視神経が障害され、痛みを伴わない中心視力低下が両眼に起こる疾患です。10〜30歳代の男性に多く、日本では指定難病(告示番号302)に指定されています。
  • アッシャー症候群 Usher Syndrome
    アッシャー症候群は、遺伝子の異常により感音難聴と網膜色素変性(夜盲・視野狭窄)を併せ持つ常染色体潜性遺伝の疾患です。病型により平衡機能の障害も伴い、聴覚と視覚の二重障害(盲ろう)の主要な原因となることから、日本では指定難病(告示番号303)に指定されています。
  • 若年発症型両側性感音難聴 Young-Onset Bilateral Sensorineural Hearing Loss
    若年発症型両側性感音難聴は、40歳未満で両耳の聞こえが徐々に悪くなる遺伝性の感音難聴で、遺伝学的検査で原因遺伝子の病的バリアントが確認されたものを指します。難聴は学童期から成人期に現れて進行することが多く、厚生労働省の指定難病(告示番号304)です。
  • 遅発性内リンパ水腫 Delayed Endolymphatic Hydrops
    遅発性内リンパ水腫は、片耳または両耳の高度難聴が先にあり、数年から数十年後に内耳に内リンパ水腫が生じて、メニエール病に似た回転性めまい発作や聴力変動を繰り返す内耳の病気です。同側型と対側型に分けられ、国の指定難病(告示番号305)です。
  • 好酸球性副鼻腔炎 Eosinophilic Sinusitis
    好酸球性副鼻腔炎は、副鼻腔粘膜に好酸球が多数浸潤し、2型炎症により両側の鼻茸、早期の嗅覚障害、粘稠な鼻汁をきたす慢性副鼻腔炎の一病型です。気管支喘息を合併しやすく術後も再発しやすいため、2015年に指定難病(告示番号306)となりました。
  • 前眼部形成異常 Anterior Segment Dysgenesis
    前眼部形成異常は、胎生期に角膜・虹彩・隅角・水晶体など眼の前方部分が正常に形成されないことで起こる先天性疾患の総称です。角膜混濁や虹彩の異常がみられ、緑内障を合併しやすく視力障害の原因となるため、日本では指定難病に指定されています。
  • 無虹彩症 Aniridia
    無虹彩症は、PAX6遺伝子の機能低下により生まれつき虹彩がほぼ欠損または高度に低形成となる先天性の眼疾患で、黄斑や角膜、視神経など眼全体の発達にも影響します。羞明・眼振・低視力が乳児期からみられ、緑内障や白内障、角膜症が加わることがあり、日本では指定難病です。
  • 膠様滴状角膜ジストロフィー Gelatinous Drop-Like Corneal Dystrophy
    膠様滴状角膜ジストロフィーは、TACSTD2遺伝子の異常により角膜上皮の下にアミロイドが沈着し、ゼリー状・桑の実状の隆起ができる常染色体劣性遺伝の角膜疾患です。小児期〜思春期にまぶしさ・流涙・異物感で始まって視力が低下し、手術後も再発しやすく、指定難病(告示番号332)です。

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