皮膚疾患の指定難病
Designated Intractable Diseases: skin
皮膚・粘膜に水疱、びらん、角化、色素異常などが生じる疾患群です。遺伝性疾患と自己免疫性疾患があり、皮膚の保護、感染予防、炎症のコントロールが治療の中心です。
Medi Faceが解説する指定難病のうち、「皮膚疾患」に分類される13疾患の一覧です。各疾患名から、原因・症状・診断・治療・予後・公的支援までの詳しい解説をご覧いただけます。
皮膚疾患の指定難病一覧(13疾患)
- 天疱瘡 Pemphigus
天疱瘡は、皮膚の細胞間接着分子デスモグレインに対する自己抗体により、皮膚や口腔粘膜に破れやすい水疱とびらんが生じる自己免疫性水疱症です。主に中高年に発症し、ステロイドを中心とした免疫抑制療法で治療され、日本では指定難病(告示番号35)に指定されています。 - 表皮水疱症 Epidermolysis Bullosa, EB
表皮水疱症は、皮膚の層をつなぐタンパク質の遺伝子変異により、わずかな摩擦や圧迫で皮膚や粘膜に水疱やびらんを繰り返す遺伝性疾患です。多くは出生時や乳児期に発症し、重症例では瘢痕や栄養障害を伴うなど重症度の幅が大きく、日本では指定難病(告示番号36)です。 - 膿疱性乾癬 Generalized Pustular Psoriasis, GPP
膿疱性乾癬(汎発型)は、発熱などの全身症状とともに、赤くなった皮膚に細菌のいない無菌性の膿疱が急に多発する、まれで重い炎症性皮膚疾患です。IL-36経路を中心とした自然免疫の過剰な活性化が関与し、発作を繰り返すことがあり、日本では指定難病(告示番号37)です。 - スティーヴンス・ジョンソン症候群 Stevens-Johnson Syndrome, SJS
スティーヴンス・ジョンソン症候群は、主に医薬品を契機に、高熱とともに目・口・陰部の粘膜と全身の皮膚に紅斑・水疱・びらんが急速に広がる重症の皮膚粘膜疾患です。重症多形滲出性紅斑の一型として指定難病に含まれ、失明を含む視力障害などの後遺症が残ることもあります。 - 中毒性表皮壊死症 Toxic Epidermal Necrolysis, TEN
中毒性表皮壊死症(TEN)は、主に薬剤が原因で表皮の細胞が広範囲に壊死し、水疱やびらんとして皮膚がはがれ落ちる重症薬疹です。眼・口唇・外陰部などの粘膜にも高頻度に病変が出て、敗血症や多臓器不全で生命に関わることがあり、スティーヴンス・ジョンソン症候群とともに指定難病に定められています。 - 色素性乾皮症 Xeroderma Pigmentosum
色素性乾皮症(XP)は、紫外線によるDNA損傷を修復する機能が生まれつき低下する常染色体劣性(潜性)遺伝の疾患で、日光で強い日焼け反応や色素斑が出現し、皮膚がんが若年で多発します。A群などでは神経症状を伴い、指定難病(告示番号159)に指定されています。 - 先天性魚鱗癬 Congenital Ichthyosis
先天性魚鱗癬は、角層の形成に関わる遺伝子の異常で皮膚のバリア機能が低下し、生まれつき全身に厚い鱗屑や紅皮症がみられる遺伝性疾患の総称です。新生児期の脱水・感染や眼瞼外翻、体温調節障害などを伴うことがあり、該当する病型は指定難病(告示番号160)の対象です。 - 家族性良性慢性天疱瘡 Familial Benign Chronic Pemphigus
家族性良性慢性天疱瘡(Hailey-Hailey病)は、ATP2C1遺伝子の異常で表皮細胞の接着が弱まり、腋窩・鼠径部などのこすれやすい部位に水疱やびらんを慢性的に繰り返す遺伝性皮膚疾患です。自己免疫性天疱瘡とは異なり、指定難病(告示番号161)に指定されています。 - 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。) Bullous Pemphigoid (Including Acquired Epidermolysis Bullosa)
類天疱瘡は、表皮と真皮をつなぐ基底膜部の蛋白に対する自己抗体により、表皮の下に水疱ができる自己免疫性水疱症で、主に高齢者に発症します。かゆみの強い紅斑と緊満性の水疱が多発してびらんを生じ、粘膜病型や後天性表皮水疱症を含む疾患群として指定難病に位置づけられています。 - 特発性後天性全身性無汗症 Idiopathic Acquired Generalized Anhidrosis
特発性後天性全身性無汗症は、もともと汗をかけた人が明らかな原因なく全身の発汗が低下・消失し、体に熱がこもってうつ熱や熱中症を起こしやすくなる病気です。発汗時のチクチクした痛みやコリン性蕁麻疹を伴うことが多く、日本の指定難病(告示番号163)です。 - 眼皮膚白皮症 Oculocutaneous Albinism
眼皮膚白皮症は、メラニンを作る過程の先天的な異常により、皮膚・毛髪・眼の色素が少なくなる遺伝性疾患です。乳児期からの低視力・眼振・まぶしさや紫外線に弱い皮膚が主な症状で、多くは常染色体潜性遺伝を示し、指定難病(告示番号164)に指定されています。 - 弾性線維性仮性黄色腫 Pseudoxanthoma Elasticum
弾性線維性仮性黄色腫(PXE)は、ABCC6遺伝子の変異により皮膚・網膜・中型動脈などの弾性線維に異所性石灰化が進む遺伝性疾患です。思春期ごろから首などの皮膚に黄色い丘疹が現れ、網膜の脈絡膜新生血管による中心視力低下や末梢動脈の狭窄を伴うことがあり、指定難病です。 - 巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変) Giant Lymphatic Malformations (Cervicofacial Lesions)
巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変)は、胎生期のリンパ管の形成異常により頚部や顔面に大きな嚢胞状の病変が広がる先天性の脈管奇形で、指定難病です。悪性腫瘍ではありませんが、気道圧迫による呼吸障害、哺乳・摂食障害、顔貌変形、感染や出血による急な腫れなどを起こし、長期的な治療を要します。
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