血液疾患の指定難病

Designated Intractable Diseases: blood

赤血球・白血球・血小板・凝固因子などに異常をきたす疾患群です。貧血、出血傾向、血栓症、易感染性などがみられ、輸血、免疫抑制療法、造血幹細胞移植などが行われます。

Medi Faceが解説する指定難病のうち、「血液疾患」に分類される15疾患の一覧です。各疾患名から、原因・症状・診断・治療・予後・公的支援までの詳しい解説をご覧いただけます。

血液疾患の指定難病一覧(15疾患)

  • クロウ・深瀬症候群 Crow-Fukase Syndrome | POEMS Syndrome
    クロウ・深瀬症候群(POEMS症候群)は、形質細胞の異常増殖に伴うVEGFなどの過剰産生により、多発ニューロパチーを中心に浮腫・胸腹水、臓器腫大、内分泌異常、皮膚変化など全身に症状が出る疾患です。中高年に多く、国の指定難病(告示番号16)です。
  • 再生不良性貧血 Aplastic Anemia
    再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が減少し、赤血球・白血球・血小板がすべて減る汎血球減少をきたす血液の病気で、多くは免疫の異常が関与します。息切れなどの貧血症状、感染しやすさ、出血しやすさがみられ、重症では命に関わることもあり、指定難病(告示番号60)に指定されています。
  • 自己免疫性溶血性貧血 Autoimmune Hemolytic Anemia, AIHA
    自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は、自分の赤血球に対する自己抗体により赤血球が通常より早く壊され、貧血をきたす後天性の病気です。息切れや動悸、黄疸、濃い色の尿などがみられ、温式・冷式などの病型があり、日本では指定難病(告示番号61)に指定されています。
  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症 Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria, PNH
    発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、造血幹細胞のPIGA遺伝子に後天的な変異が生じ、補体の攻撃から守るCD55・CD59を欠く赤血球が血管内で壊れる血液の病気です。貧血や褐色尿、血栓症、造血不全などがみられ、国の指定難病に含まれます。
  • 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic Thrombocytopenic Purpura (ITP)
    特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、ほかに明らかな原因がないのに自己免疫の異常で血小板が壊され、つくられにくくもなって血小板数が減る病気です。皮下出血(紫斑)や鼻出血などの出血症状がみられ、国の指定難病(告示番号63)の対象です。
  • 血栓性血小板減少性紫斑病 Thrombotic Thrombocytopenic Purpura (TTP)
    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、ADAMTS13の著しい低下により全身の細い血管に血小板血栓ができ、血小板減少や溶血性貧血、脳・腎などの臓器障害を起こす重篤な血液疾患です。急激に発症し、紫斑や意識障害、発熱などがみられ、血漿交換など早期の治療が重要で、国の指定難病です。
  • 先天性赤血球形成異常性貧血 Congenital Dyserythropoietic Anemia
    先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)は、骨髄で赤血球が正常に作られない無効造血により、慢性の貧血、黄疸、脾腫、鉄過剰などをきたす非常にまれな遺伝性疾患群です。診断時期は新生児期から成人期までさまざまで、日本では指定難病(告示番号282)に指定されています。
  • 後天性赤芽球癆 Acquired Pure Red Cell Aplasia
    後天性赤芽球癆は、骨髄で赤血球のもとになる赤芽球だけが著しく減り、白血球や血小板は原則保たれたまま高度の貧血が進む病気です。中高年に多く、自己免疫が関与し、息切れ・動悸・倦怠感・顔色不良などが現れ、国の指定難病(告示番号283)です。
  • ダイアモンド・ブラックファン貧血 Diamond-Blackfan Anemia
    ダイアモンド・ブラックファン貧血は、リボソームタンパク質遺伝子などの変異により骨髄で赤芽球だけが作られなくなる先天性の貧血(先天性赤芽球癆)です。多くは生後1年以内に重い貧血で見つかり、約半数に手指や心臓などの先天異常を伴い、輸血やステロイドによる治療が必要で、指定難病の対象です。
  • ファンコニ貧血 Fanconi Anemia
    ファンコニ貧血は、DNAの鎖間架橋を修復するFA経路の遺伝子の病的バリアントにより、進行性の骨髄不全や母指・橈骨の形成異常、低身長などを生じる遺伝性疾患です。骨髄異形成症候群・白血病や頭頸部癌などのリスクも高く、日本では指定難病(告示番号285)に定められています。
  • 遺伝性鉄芽球性貧血 Hereditary Sideroblastic Anemia
    遺伝性鉄芽球性貧血は、赤芽球のミトコンドリアでのヘム合成や鉄利用に関わる遺伝子の異常により、骨髄に環状鉄芽球が現れる生まれつきの貧血です。顔色不良や疲れやすさ、動悸、息切れなどの貧血症状に加え、体内に鉄がたまる鉄過剰症を起こしやすく、国の指定難病の対象です。
  • エプスタイン症候群 Epstein Syndrome
    エプスタイン症候群は、MYH9遺伝子の病的バリアントで起こる常染色体顕性遺伝性疾患で、巨大血小板を伴う血小板減少に腎炎と感音難聴を合併します。MYH9異常症の重症型にあたり、腎機能低下や難聴が進行することがあり、日本では指定難病(告示番号287)です。
  • 自己免疫性後天性凝固因子欠乏症 Acquired Autoimmune Coagulation Factor Deficiency
    自己免疫性後天性凝固因子欠乏症は、生まれつき異常のない人に凝固因子に対する自己抗体ができ、第VIII因子などの働きや量が低下して、皮下・筋肉内の広い出血や止血困難、ときに命に関わる出血を起こす病気です。高齢者に多く、日本では指定難病(告示番号288)です。
  • 特発性血栓症 Idiopathic Thrombosis
    特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるもの)は、アンチトロンビン・プロテインC・プロテインSなど血液を固まりにくくする因子が生まれつき低下し、若年や誘因なく深部静脈血栓症や肺塞栓症を起こしやすくなる病気です。指定難病(告示番号327)で医療費助成の対象です。
  • 特発性多中心性キャッスルマン病 Idiopathic Multicentric Castleman Disease
    特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)は、複数の領域でリンパ節が腫れ、発熱・倦怠感・貧血・むくみなどの炎症症状が長く続く希少なリンパ増殖性疾患です。IL-6の過剰産生が病態の中心とされ、日本では指定難病(告示番号331)です。

ほかの分野から探す

神経・筋疾患(57)血液疾患(15)代謝疾患(44)皮膚疾患(13)免疫・膠原病・自己炎症(28)循環器・先天性心疾患(25)腎・泌尿器疾患(14)骨・関節・結合組織疾患(16)内分泌疾患(18)呼吸器疾患(12)眼・耳鼻咽喉疾患(11)消化器・肝胆膵疾患(20)染色体・先天異常症候群(41)小児神経・てんかん(27)

指定難病リスト(全341疾患)へ